2017年07月05日

「啄木詩歌集」

お久しぶりです。
ブログではお久しぶり過ぎて大変申し訳ないのですが、読者様からのご指摘があったのでこちらに掲載いたします。

弊社が過去に出版いたしました「啄木詩歌集」にご指摘がございました。

「啄木詩歌集」
1960年(昭和35年)6月10日初版発行
1968年(昭和43年)10月10日2版発行
1974年(昭和49年)4月10日3版発行

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この本のP28
「一握の砂」の章の中に

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不来方のお城のあとの草に臥て
空に吸われし
十五のこころ


と掲載されているのですが、
現在、石川啄木の「一握の砂」を購入すると

不来方の
お城の草に寝ころびて
空に吸はれし十五の心


というものが掲載されているのが主流です。
(1967年に刊行された『一握の砂 / 悲しき玩具』(あかね書房 1967年)では
不来方のお城のあとの草に臥て
空に吸われし
十五のこころ
弊社と同じ歌が掲載されていたそうです。)

今や編集に携わった者は誰も存命していないので、詳しいことはわからないのですが、その当時参考にした書物がこちらを掲載していたのだとは思われますが、正しくはこの

不来方のお城のあとの草に臥て
空に吸われし
十五のこころ


は、明治43年11月発行の雑誌「スバル」にて「秋のなかばに歌へる」として110首が掲載されたうちの1首です。「秋のなかばに歌へる」の歌は、「一握の砂」の元になる歌であり、「スバル」に少しずつ掲載された歌を自ら再編集して推敲に推敲を重ねた物が「一握の砂」なのではないかと言われております。
そのまま「一握の砂」に掲載されている歌もあるのですが、この歌は石川啄木によって推敲されたものと思われます。(諸説ございます。「一握の砂」が最初で推敲されたものが「スバル」説もあり。)

よって、弊社出版「啄木詩歌集」の「一握の砂」の章に載せている歌は、正しくは「一握の砂」掲載のものではなく、その前身である「秋のなかばに歌へる」として発表された歌です。
ここにお詫びして訂正いたします。
posted by 野ばら子 at 13:09| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする